1歳の誕生日
もう少しで、あなたの1歳の誕生日。
切迫早産だった。
すべて良好と花丸をもらった30wの定期検診を終えた日の夜9時、何となくの腹痛。いま思えばあれが最初のサインだった。
翌朝には回復したので、電車に乗って出社。
何となく気分が優れず、会社到着後トイレに行ったら出血確認。
考え出したら止まらなくなる、と咄嗟に判断し、とにかく電話だ、と。
病院にすぐ向かうことが決まり、電話が切れた途端、涙が止まらなかった。
病院に向かう間、胎動があったことだけが唯一の救いだった。ありがとう。
そこからあれよあれよで入院。
2ヶ月の入院生活が始まるんだ、と気持ちを整理していたら、入院2日目夜9時頃からまたも腹痛。
その夜は本当に長かった。
前日も何だかんだ眠れず長い夜だったけれど、比べものにならなかった。
定期的にくる痛み、何より不安、不安、不安。
痛みの程度が変わったらナースコールを、と言われたけれど、変わってる感じもわからない。
痛いのが10分間隔で押しては引いて押しては引いて。
私はこのときこれが陣痛だとわかっていなかった。
痛みに変化があるか、を考えすぎて、もう始まってるなんて頭の片隅にもなかった。
判断を間違えて取り返しのつかないことになるのが、ただただ怖かった。
私にしかわからない。私にしかこの子を守れない。怖い。
2時頃には嘔吐。何もできずされるがままの自分に、更に自信をなくした。
夜が明けたときの窓の景色を私は一生忘れないと思う。
朝焼け、とても綺麗だった。
そして朝から転院し、
お昼にするんとあなたは生まれた。
私は意識が朦朧としていて、
あなたの泣き声が聞こえなかった。
(隣にいたお父さんがしっかり聞いてくれていて後から教えてもらった。)
すぐに連れて行かれてしまって顔もはっきりと見れなかった。
部屋を真ん中で区切った隣のスペースでもお産をしていて、
そこで産まれた赤ちゃんの泣き声を聞きながら、私はお父さんと2人で30分過ごした。
そしてやっと、NICUで、保育器にはいったあなたに会えた。
嬉しくて泣いた。本当に嬉しかった。
呼吸器と管と帽子に埋もれてほとんど顔は見えなかったけど、世界で一番のものに出会ったと思った。
あれから1年。
もう10歩くらい歩くし、
偉そうに大根を手掴みして食べてるし、
顔洗われるの嫌がって払い除けてくるし、
パチパチも上手にできるし、
呼んだら笑顔でハイハイしてきてよじ登ってくるし、
あっという間に。こんなに。
あなたがいてくれたから私は今生きていられると思う。
本当にありがとう。
痛い思いを人より沢山させてしまったね。
頑張らせてしまってごめんね。
頑張ってくれてありがとう。
あなたのこれからが、明るく満ちたものでありますように。
あなたと、あなたが生まれ育つために助けてくれた沢山の人たちに、感謝して。
お誕生日おめでとう。